カラフル☆デイズ
「いや、あそこはもう閉園しただろ」「あ、そう言えば、そうか」と、セイ兄とあさ兄の会話が続く。放っておけばいつまでも続きそうな雰囲気に、「あのね」と口を挟んだ。
「今日は、有名なネズミがいる所に行くの」
「あぁ、夢と魔法の王国の方か。それとも、海の方かな? そうだ、静夜、俺たちも久々に行ってみるか?」
あさ兄が突然セイ兄の肩に腕を回した所為で、ちょうど水を口に含んでいたセイ兄が盛大に咽た。
タオルで口元を拭きながら「そんな人が多そうな場所なんて、わざわざ行くかよ」とあさ兄を睨んだセイ兄は、そのタオルをあさ兄へと投げつけた。
「しかも、よりにもよって朝陽と一緒に行く意味がわかんねーし」
「まひるが心配じゃないのか?」
「まひるより朝陽の方が心配だよ、俺は」と返すと、私に向かって真面目な顔で忠告してきた。
「まひる、気を付けろよ?ネズミの着ぐるみだと思ったら、中には朝陽が入ってたなんてことがあるかもしれないからな」
「それって、お化け屋敷よりホラーだね……」