カラフル☆デイズ
「さすがの俺も、その発想はなかったな。静夜、そっちの才能あるんじゃないか?」
「どっちだよ……」
あさ兄とセイ兄のやり取りを見ているのは楽しいけれど、いつまでも付き合っていたら遅刻してしまいそうだ。
スマホを忘れていないことを確認すると、私はそっとその場を抜け出し、玄関へと向かった。
「じゃあ、行ってきまーす!」
玄関のドアを閉める直前に言い放つ。
奥からは、「まひる、待ちなさい。一緒に行くから」と、焦った様なあさ兄の声。
「あさ兄はついてこないで!」
そう言って、ドアを閉めて駆け出した。