カラフル☆デイズ

「でもさ、まひる、犯人って言い方はあんまりじゃないかなぁ……なんて」


いつもの千紗とは違って、それはどこまでも控え目な抗議。


この控え目さに、千紗の罪悪感が表れている訳だけど、だからといって簡単には許せない。


「じゃあ、“あさ兄にチクった密告者”で良い?」


にっこりと笑顔で首を傾げると、千紗は箸を握ったまま、うっ……と、一瞬言葉を詰まらせた。


「その言い方!ちょっと酷くない?まひるの意地悪っ」


「酷いのはどっち?大体、どうしてあさ兄に教えたことを隠してたの!?」


「朝陽さんが、まひるとの友情に差し障りがあると困るから黙ってた方が良いって……」


千紗が箸を揃えてお弁当箱の上に一旦置く。


その動作が千紗をしおらしく見せて、許してしまいそうになるけれど、ここで簡単に折れちゃ駄目だと自分に言い聞かせる。


だって、あさ兄も千紗も、私に対するこういう自分の見せ方に関する計算は本当に得意なんだから。


大体、あさ兄もあさ兄で、『差し障りがある』と思っている時点で、故意にやってることを自覚してる証拠だし……!!



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