カラフル☆デイズ
「千紗ってば、何であさ兄に教えるかなぁ?教えたらどうなるか判るでしょう?」
千紗とは小学生の頃からの付き合いなだけに、あさ兄の性格も行動も知り尽くしているはずなのに。
なのに、教えるなんて……友情よりあさ兄を選ぶなんて……!!
「あさ兄からの賄賂は何!?」
「わいろ、だなんて……まひるってば……考えすぎだよ、さすがにそれは、あはは」
笑って誤魔化そうとする千紗の笑い方が、妙に乾いている。乾いた笑いになってる。
「千紗、私との友情を選ぶなら正直に答えて」
「ケーキ、です」
「ケーキって……」
ケーキに、私と千紗の友情は負けたの? 1個数百円のケーキに負けるなんて、私と千紗の友情は値段にしたら数百円以下ってこと!?
「……まひる、大丈夫……?だってさ、水上くんのことをほんのちょっと話しただけで、朝陽さんと二人でケーキを食べれるんだよ?良い男とケーキの組み合わせだよ?断る馬鹿がいると思う?」
「千紗の馬鹿!!そんなにあさ兄とケーキが好きなら、あさ兄と付き合いなよ!そうしたらお祝いに、ホールケーキを買ってあげるから!!」