カラフル☆デイズ

それに、あさ兄に彼女が出来れば、きっと私の恋愛にまで口を出す暇なんてなくなるだろうし。


あさ兄と会う度に、毎回あさ兄にうっとりしている千紗は、大喜びで私の提案に食いついてくるかと思いきや――。


「それはちょっと……」


なぜか若干引き気味になっている。しかも、まるで銃を突きつけられたみたいに、両手を胸元の位置まで上げている。


「“それは、ちょっと” 何?」


あ、千紗には彼氏が出来たばかりだから、あさ兄はお断りってことかな?


「朝陽さんって昔から勉強もスポーツも出来て、見た目も極上だし、今でもめっちゃモテるから付き合えたらラッキーだろうけど、でも、まひる一筋で……ちょっと残念な感じでしょう?」


ちょっと残念な感じ?馬鹿なことを言わないで欲しい。ちょっとどころじゃなく、大分残念な感じだ。


上目使いで、「このこと、朝陽さん本人には言わないでよ?」と頼んでくる千紗に、ふいに昨日の千紗の姿がフラッシュバックする。


『まひる、大丈夫?……えっと、その、ごめんね?』


――同じく上目使いでそう言った時の千紗の姿が。



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