カラフル☆デイズ

今日の放課後、二人でお祝いしよっか！と、テンション高めの千紗の言葉が、綺麗に右から左へと耳を素通りして行く。


水上くんはクラス委員長で、いつも落ち着いていて、雰囲気や物腰は柔らかく、他の男子と比べて大人びた印象がある。


テストではいつも上位をキープしてるのに、見た目は全然ガリ勉っぽくなくて、スラリとした身長に、一重だけど優しそうな瞳、いつも口角の上がった口元。


加えて、サラサラヘアもあって、サッカーとかバレーボールとかが得意そうな爽やかなイメージの外見をしている。


テスト近くになると図書室で遭遇することも多く、そういう時は一緒に勉強をしたりして、話す機会が増える度に、なんとなくだけど、良いなって思う様になっていた。


その水上くんが、私と付き合う？


千紗の言う何が、“やっぱり”なのか全然判らず、千紗の手の上に自分の右手を重ね合わせる。


「千紗、どういうことか順を追って説明して！」