カラフル☆デイズ
「え、だから……水上くんに告られて、まひるもオッケーしたって話じゃないの?」
千紗がきょとんとした表情で、私の顔を見つめて言った。
「それ、全然順番を追ってないから!どうして、水上くんが私に告白するの?」
「昨日の放課後、まひるが帰った直後に水上くんが『深山さんは?』って訊いてきて、たった今、帰ったって教えたら、慌てて追いかけて行ったから……」
だから、あーあれは告る気だなって思ったんだけど……と千紗が説明してくれる。
「違った?」
「告られるも何も、追い掛けてすら来なかったんだけど?」
その後どこへ行ったの、水上くん!!まさか、狭い校内で迷うほどの方向音痴だったとか!?
入学初日ならともかく、一年以上毎日過ごしてる校舎で迷子って――さすがにその可能性はないな、とすぐに自分の暴走しかけた気持ちを打ち消し、平常心を取り戻す。
告白するために探してたんじゃなくて、単にクラス委員として、私に用事があって探してただけかもしれない。そうに違いない。
無駄に期待はしないことにしている私は、その線で自己完結すると、千紗から手を離した。