カラフル☆デイズ
「それで、まひるは何をそんなにイライラしてるんだ?」
あさ兄が腕捲りをして、水道で手を洗いながら訊ねてきた言葉に
「もしかして、アイツに何かされたのか?」
私よりも先に帰ってきていたセイ兄が、会話に加わってきた。
「静夜、アイツって?」
「俺と同じクラスの「わー!」
ここであの先輩のことを持ち出したら、あさ兄のことだから、また余計な首を突っ込んでくるに決まってる。
これ以上、学校でのことに関わって欲しくなくて、奇声でセイ兄の言葉を遮った。
けれど、それにあさ兄が気付かないはずはなくて――。
「さては、男だろ?」
あさ兄が鋭く目を細め、横目で私を見てきた。