カラフル☆デイズ
「……はっ!?おい、ちょっと待て!ふざけんなっ、長男のくせにそんなんで良いと思ってんのか?兄馬鹿にもほどがあるだろ!」
一瞬、呆気にとられたセイ兄が、次の瞬間には激しくあさ兄に食ってかかる。
「悪いな、静夜。俺は長男の前に兄馬鹿なもんで」
「マジ馬鹿。兄馬鹿以前に、大馬鹿だろ」
そんなあさ兄とセイ兄のやり取りに、思わず吹き出して笑ってしまうと、セイ兄と目があった私に向かって、セイ兄が軽く舌を出した。
私もセイ兄に向かって、盛大にあっかんべーをして笑う。
いつの間にか、帰ってきた時のイライラはもう収まっていて、再びキッチンに立とうと、袖を捲り直した。
「あさ兄、私、手伝うよ」
元々、今日の夕飯当番は私だし。
「まひる、これカレーで合ってる?」
カレーを作るつもりで切っていた野菜を指さしたあさ兄に、「うん」と返事をする。
「それなら、あとは俺が引き受けるから、お子様たちは向こうへ行ってな」
私の頭を撫でて、言葉通り子ども扱いするあさ兄に甘えることにし、「私たちはお子様だって」と肩を竦めながらセイ兄と一緒にキッチンを出た。