カラフル☆デイズ
「おかしいなぁ……私の勘は当るのに」
千紗が首を傾げて口を尖らせていると、《噂をすれば影がさす》のことわざ通り、ちょうどそこへ水上くんが登校してきた。
「水上くん、おはよう」
千紗の話は聞かなかったことにして、普段通りに挨拶を交わす。
水上くんは一瞬、戸惑いの表情を浮かべた様にも見えたものの、すぐに「おはよう」と、いつもと変わらない爽やかな笑顔を浮かべた。
こうして挨拶を交わすだけでも今は十分だし、ひっそりと遠目に眺めているだけで結構満足だったりする。
そう思っていたのに
「水上くん、昨日、まひるを追いかけて行ったよね?まひるに会えなかったみたいだけど、何か大事な話でもあったんじゃないの?」
千紗が意味深に「大事な話」の部分を強調し、私を焦らせる様なことを言い出した。