カラフル☆デイズ

セイ兄にもそんな風に構うくせに、セイ兄には干渉しないんだよね、あさ兄って。


セイ兄は男だからかもしれないけど、だけど年は私と一つしか違わなくて、さっきだって、ああやって私と一緒に子供扱いしたくらいなのに。


何より、セイ兄は受験生なんだから、あさ兄は私よりもセイ兄に干渉すべきだと思う。


「てか、あさ兄、フツー、保護者はここまで干渉しないよ」


「だとしたら、それはまひるが可愛い過ぎるのがいけないんだよ」


妹に対してこんな発言をするあさ兄は、セイ兄の言う通り、確かに変態過ぎる。あさ兄をイケメンと褒める千紗でさえ、ちょっと残念と言うほどに。


「という訳で、可愛いまひるを頼んだぞ」


ポンッと、セイ兄の肩を軽く叩き


「カレー、あと少し煮込んだら二人で食べな」


次に、あさ兄はそう言って、私の頭をポンポンッと撫でた。


「……これから、また仕事?」


「そう。だから、まひるは戸締まり忘れない様に。お風呂入ったら風邪ひかない様に、温かくして寝るんだぞ」


私が露骨に不満げな表情になってしまったことにあさ兄は小さく笑って、だけどそれ以上は何も言わず、「じゃあ行ってくるから」と、再び出掛けて行ってしまった。


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