カラフル☆デイズ
当初は肉体労働だった職種を、数ヶ月前に飲食業へとジョブチェンジしたらしく、だから、肉体的には少し楽になった、だなんて言ってた。
けれど、それだってどこまで本当のことなのか判らなくて、もしかしたら、女の人を相手にする様な仕事をしている可能性だって、ない訳じゃない。
そのことを考える度に、あさ兄の肉体疲労の面で心配なだけじゃなく、他の面でも形容しがたいモヤモヤした気持ちが心の中に広まる。
「俺だってこんなこと言いたくないけど、生活の為にも仕方のないことだろ?」
だけど、そこまでしなくても、お父さんの保険金だってあるはずなのに……。
お金の管理はあさ兄がしているから、その辺のことは一切判らないけれど、頑張り過ぎてるあさ兄のことを思うと、いつも口に出せない言葉が疑問となって頭の中を駆け巡る。
お父さんが亡くなった事実はちゃんと受け入れているけれど、それでも、“保険金”って言葉を口に出すことは憚られてしまう。