カラフル☆デイズ
「……生活費が大変なら、私もバイトする」
「まひるがバイトしても大した金にならないし、朝陽もそれは絶対に許可しないっつーの」
そんなの、今までの経験から判ってる。
あさ兄は、夏休みや冬休みでさえバイトをさせてくれなかったから。
判ってるけど――判ってても、それを素直に受け入れることは出来なくて。
「でも……っ!」
「でも、じゃない。朝陽の為に何かしたいって思うのなら、仕事に出掛ける時に笑顔で送り出してやれよ」
私のほっぺたを掴んで、セイ兄はグイッと口角を上げさせた。
「にゃにひゅんのー!?」
何するの!?と、マヌケな声で抗議すると、セイ兄が私のほっぺたを掴んでいた手を放した。