カラフル☆デイズ
「カレー、そろそろ出来てんじゃねーの?」
そのセリフに、二人でキッチンへと向かう。
あさ兄が作っておいてくれたカレーはコトコトと優しい音を立てて、鍋の中で美味しそうに出来上がっていた。
それをカレー皿にたっぷりと装って、ふーふー言いながらセイ兄と二人で食べる。
私と向かい合って座ったセイ兄との間にはサラダやおかずも並び、あさ兄によってバランスの取れた献立になっている。
「あさ兄のカレーって、何で美味しいんだろうね?材料は私の作るカレーと一緒なのに」
「俺はまひるのカレーも旨いと思うけど」
セイ兄が珍しく私を褒めた。
ぶっきらぼうなその口調は、お世辞じゃなくて本気で言ってくれてるのが判るから、だから、私は少しだけ照れくさくなって
「それって、この間のハンバーグのお返しのつもり?」
照れくささを誤魔化す様にそう言えば
「いつの話だよ」と、しらばっくれるセイ兄の声が聞こえた。