カラフル☆デイズ
――それなのに。
どうしてこの人だけは、いつも美味しいって言ってくれないんだろう?
もしかして、古川先輩の味覚に問題があるんじゃないのかな……?
「俺の味覚が、何?」
「あっ、」
頭の中で考えていたことを無意識の内に声に出してしまった様で、私の斜め向かいに座っていた古川先輩がジロリと私を睨んだ。
「いえ、何でもないです!」
気を取り直して、どーぞと、たまごサンドを差し出す。
「で、今日もまた、たまごサンドか……」
今朝のセイ兄みたいに呆れ顔をした古川先輩が、嫌味っぽく“また”の部分を強調した。