カラフル☆デイズ
“また”も何も、この人は私がこうして毎日たまごサンドを作ってくる意味を判ってないのかな?
私のたまごサンドを、『調理実習みたいな味』と呼んで侮辱したことを撤回させるのが目的だと。
この人に美味しいの一言を言わせて、キッチリ見返したいが為だけに、ここ一週間、お昼休みは人気のないこの化学室で、嫌味な古川先輩とわざわざ顔を突き合わせて過ごしているのに。
この人が、美味しいって一言を言ってくれればそれだけで十分で、私は溜飲を下げることが出来るのに。
そうしたら、もう二度と、この人とは関わらないんだから――。
心の中でそう思いながら、古川先輩が口にたまごサンドを運ぶ様子をじっと見つめた。
「……ん?」
一口頬張った古川先輩は、すぐに眉根を寄せた。
今日は一段と不味い、とか……?
いくらこういうことを言う人だと判っていても、実際に言われるとやっぱり悔しいし、悲しくなる部分もある訳で。