研究オタクな令嬢は、ドラゴン【研究対象】に夢中。
「それだというのに、デイバート家の跡取り息子のユインと来たら!こんな素敵な方を逃すなんて馬鹿なことをしましたわよ」
「本当にそれは同意見です!」
「あはは……でも、縁談中に鉄鉱石で話題を広げようとした私もどうかなあとは思うのだけれど」
大分昔の自分の失敗談に苦笑交じりで答えていると、少女達は一斉に首を横に振った。
「「あの方は見る目のない残念な男だっただけです」」
口が揃った少女達はお互いを見合わせて、大きな口を開けて大笑いを見せた。
令嬢としての立ち振る舞いとはここには何一つ存在しておらず、各々が一番楽でいられる素顔で過ごした。
イリアもエルメナが見たら血相を変えて憤慨しそうな身振り口振りを披露し、少女達に混じって話の花をあちこちに咲かせた。
一つ語り出せば止まらないあのオタクスイッチも、少女達は楽しそうに話を聞いてくれた。
ここ最近の時事のような話でも話す火は燃え移ることも。
「王都で謎の病が流行っているらしいわね」
「その話詳しい方に聞いたら、どうやら薬物依存と関係があったりもしているそうですよ」
「そんなものに依存する暇があったら愛する殿方に依存していたいわ」
物騒な世間話の流れはいつの間にか恋愛話へと方向を変え、話し合う少女達の顔は女へと豹変する。
今まであった異性とのエピソードや、理想の異性など語らいは尽きることを知らない。
「将来は恋に落ちた男性と生涯を共にしたいものね……」
「まあ、貴族の家に生まれ落ちたからには嫌々結婚なんてことも珍しくないものね」
「私の両親も嫌々結婚したのだと、この前初めて聞かされました」
少女達の描く未来像が年上であるイリアよりもしっかりとしていて、無意識にため息を零すしかなかった。