研究オタクな令嬢は、ドラゴン【研究対象】に夢中。
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ようやくあの騒ぎが落ち着いた頃には、会場はもぬけの殻になっていた。そしてようやくここにいた全ての民衆がアルロスによって変えられてしまった人々だったのだと知る。
過ぎ去った嵐にほっとしていると体がふわりと宙に浮く。
「ひゃっ」
「疲れただろう」
「ヒューリ、自分で歩けるよ!」
「俺がこうしたいからこうさせてくれ」
頼み事に弱いイリアを知っている戦術に渋々頷くことしか出来ず、ヒューリに抱き抱えられたままライジールに案内されるままその場を後にする。
しっかりとした警備が行き届いた王宮はここに来た時とは印象がまるで違う。
全てがアルロスを捕らえるために仕向けられた罠で、ここまでの流れもライジールの手の中にあったという。
何もかもを鵜呑みにして行動を取ってしまった自分に恥ずかしさを感じながらも、今こうして生きていることに感謝するしかなかった。
王宮内をゆっくりと歩き辿り着いた客室の広さに唖然としながら、中央に用意された豪華なソファーに座るように促されようやくヒューリが渋々と彼女を床に下ろす。
ヒューリと共にソファーに腰掛けると、ライジールが順を追って全てを説明するべく口を開いた。
絡まった糸を解すようにイリアは与えられた情報を一つ一つ噛み砕きながら整理し、頭の情報を綺麗に並べることに集中した。