研究オタクな令嬢は、ドラゴン【研究対象】に夢中。
ーーこ、こんなんじゃ殿方に愛想つかされて終わりでは……?!こんなにも相手を落とす方法って難しいものなの?!一体どうしたら……!!
まだ収まらない胸騒ぎと体の熱をどこかに逃がしたくて、深いため息をついた。
思っていたものと違う結果に肩を落とすが、妙に擽ったくなるこの気持ちに項垂れるしかない。
ヴァイルと楽しそうにはしゃぐジュナに混ざって今のは無かったことにしたい程、ただただ恥ずかしい。穴があったら入りたいということは、この事かと身をもって知る。
それと同時にイリアの心に静かに火がついた。
ーーまだ始めたことなんだから、諦めてはダメ。やってやるのよ、イリア!!
頬を叩いて燃え始める気持ちへと切り替えて、まずは目の前のジュナの翼の装着へと意識を向けた。試作品にしてここまで早い段階で宙に浮いたのだ。
これで終わりにするわけにはいかないと、先程書いた設計図を見直しながら構想を練る。
そして読み込んだ恋愛指南書の内容をもう一度頭の中で思い浮かべて、何がいけなかったのかをよく考察した。
ーー私はどっちも成し遂げるって決めたの。だから!!
ジュナの翼の装具とヒューリを盗み見て、鼻息を荒くしながらイリアの奮闘する日々が始まった。