秒速ファシネイト
「じゃ、俺んちここだから。送ってくれてありがとね」
「う、うん。じゃあねっ!」
全く一条凪が私に落ちる気配のないまま一条凪の家に着いてしまった。
一条凪の家…
立派な門の奥に広がる日本庭園。
一条凪ってもしかして、超金持ち!?
「うち代々続く医者の家系なんだ。でも別に金持ちってわけじゃないよ。この庭は祖父の趣味で」
何で私の考えてること分かるの!?!?
動揺したが、それを悟られるのは悔しいので「そう」といつも通りの涼しげな顔で頷いておいた。
てか代々医者って、エリートかよ…!
「凪くんっ!!」
その時、
突然一人の女が一条凪の家から出てきて…
「どこ行ってたの?寂しかった」
一条凪に抱き着いた。