秒速ファシネイト
「な…」
「だったら俺が教えてあげるよ」
一条凪が強引に私の腕をとって、立ち上がらせた。
「こっちにおいで」
「ちょっ…どこ行くの!?」
おーいどこ行くんだよ駆け落ちかあ~?
かっ…勝手に木村さんを連れ去れるなど言語道断許されがたし!!そんなチャラ男とオタクの声を背中に聞きながら、引っ張られるままに図書室を出た。
「…い…一条、凪。この体勢…なに?」
「ん?なんかおかしい?」
「おかしすぎるよ!!」
そして、現在の状況。
人通りの少ない階段下にて。
壁に、なぜか両腕を拘束され押し付けられている。