秒速ファシネイト
君の大事な日
「で。
どうなの?一条凪を落とす計画は進んでるわけ?」
久しぶりの登場、私の親友である上矢真子。クルッと結ばれた綺麗なお団子頭がトレードマーク。
「…ん、まぁまぁ、ってとこかしら?」
受け答えをする私、マジメ女子バージョンの仮装はすっかり投げ捨て、今まで通りの高嶺の花バージョン。
だって…一条凪がこっちの方が好き(とまでは言ってない)からどうしてもこのカッコに戻せって!(完全に言ってない)
「ふーん」
なぜか疑わしそうな目で私を見る真子。
「ま、いいや。
来週誕生日じゃん?当然何かプランがあるんでしょ?」
「…は?誕生日…誰の?」
「もちろん一条凪の」
…は!?