秒速ファシネイト
キーンコーンカーンコーン
…ついにお昼休みになってしまった!
「あれ、まだ渡してないの?お弁当」
真子が私の席にきて不思議そうな顔をする。
「…うん」
「早く渡さないと」
「………」
でも隠れファン達からもプレゼントもらってたし
私からのお弁当なんて、特別欲しくないだろうし…
「珍しいねー、麗美が自信喪失?」
血も涙もない親友、真子がカラカラ笑う。
…ほんとに、自信がないことなんてこの世に存在しなかったのに。
一条凪相手だと、ペースが狂うことしかない。