昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「だから、寝れなくても休んで……」
弟と言い合っていたら、突然病室のドアがガチャッと開いて背が高く灰色の背広を着た若い男性が入ってきた。
「そういうことならうちに連れて帰る。フランス製の高級ベッドもあるし、ぐっすり休める」
私の顔を見てその男性はうっすら口角を上げる。
橋本清十郎!
「ど、どうしてあなたが……?」
つっかえながら彼に問う私に、弟は少し緊張した面持ちで確認した。
「姉さん、この人知ってるの?」
私が答える前に橋本清十郎が弟に笑みをたたえながら挨拶した。
「初めまして。君は確か凛ちゃんの弟の直史くんだよね? 俺は橋本清十郎」
「橋本清十郎って……あの橋本財閥の?」
弟は名前を知っていたのか橋本清十郎の顔をまじまじと見た。
「俺の名前を知っているとは光栄だな」
ゆっくりと微笑む橋本清十郎を見て身体がゾクリとするも、しっかりと彼を見据えてもう一度尋ねた。
「あの……私の質問に答えてください。どうしてあなたがここにいるんですか?」
「それは保科伯爵から凛ちゃんを一万円で買ったからだよ」
弟と言い合っていたら、突然病室のドアがガチャッと開いて背が高く灰色の背広を着た若い男性が入ってきた。
「そういうことならうちに連れて帰る。フランス製の高級ベッドもあるし、ぐっすり休める」
私の顔を見てその男性はうっすら口角を上げる。
橋本清十郎!
「ど、どうしてあなたが……?」
つっかえながら彼に問う私に、弟は少し緊張した面持ちで確認した。
「姉さん、この人知ってるの?」
私が答える前に橋本清十郎が弟に笑みをたたえながら挨拶した。
「初めまして。君は確か凛ちゃんの弟の直史くんだよね? 俺は橋本清十郎」
「橋本清十郎って……あの橋本財閥の?」
弟は名前を知っていたのか橋本清十郎の顔をまじまじと見た。
「俺の名前を知っているとは光栄だな」
ゆっくりと微笑む橋本清十郎を見て身体がゾクリとするも、しっかりと彼を見据えてもう一度尋ねた。
「あの……私の質問に答えてください。どうしてあなたがここにいるんですか?」
「それは保科伯爵から凛ちゃんを一万円で買ったからだよ」