昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
それなのに、橋本清十郎は彼女をさらに苦しめる言葉を紡いだ。
「俺も伯爵に何度も確認したんだよ。凛ちゃんを俺の好きにしていいのか。だが、伯爵は凛ちゃんがいなくなって清々すると言ってた」
彼の話に怒りが込み上げてくる。
どれだけ凛を傷つけるつもりなのか。
「姉さん!」と凛の弟の声がしたかと思ったら、またすぐに橋本清十郎の声が聞こえた。
「心配しなくても大丈夫。伯爵は君をないがしろにしているようだが、俺は君に贅沢をさせてあげよう。洋服も宝石も、好きなだけ買ってやる」
「嫌! あなたのとこには行きません!」
凛は声を張り上げ、彼女の弟も橋本清十郎に向かって叫んでいる。
「姉を離しください! 警察に通報しますよ!」
本当にあいつは最低な男だ。
「鷹政さま!」
伊織が焦ったように俺を見るので、「わかってる」と小声で返事をした。
「無駄だ。警察なんて金でどうにでもなる。誰も俺を止めることはできない」
橋本清十郎が凛たちにそう告げた時、俺は病室のドアを開けて中に入った。
「俺も伯爵に何度も確認したんだよ。凛ちゃんを俺の好きにしていいのか。だが、伯爵は凛ちゃんがいなくなって清々すると言ってた」
彼の話に怒りが込み上げてくる。
どれだけ凛を傷つけるつもりなのか。
「姉さん!」と凛の弟の声がしたかと思ったら、またすぐに橋本清十郎の声が聞こえた。
「心配しなくても大丈夫。伯爵は君をないがしろにしているようだが、俺は君に贅沢をさせてあげよう。洋服も宝石も、好きなだけ買ってやる」
「嫌! あなたのとこには行きません!」
凛は声を張り上げ、彼女の弟も橋本清十郎に向かって叫んでいる。
「姉を離しください! 警察に通報しますよ!」
本当にあいつは最低な男だ。
「鷹政さま!」
伊織が焦ったように俺を見るので、「わかってる」と小声で返事をした。
「無駄だ。警察なんて金でどうにでもなる。誰も俺を止めることはできない」
橋本清十郎が凛たちにそう告げた時、俺は病室のドアを開けて中に入った。