昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 私は席を立ち、弥生さんと一緒に清さんの分の料理をテーブルに並べ、鷹政さんと清さんに声をかけた。
「まあまあ、ふたりともいいではないですか。せっかくの料理が冷めますよ」
 鷹政さんは「ああ。すまない」と謝り、清さんは「美味しそうじゃな」と料理を見て頬を緩める。
 今朝のメニューは釜で炊いたほかほかのご飯に、サバの味噌煮、豆腐と油揚げの味噌汁、ほうれん草のお浸し、玉子焼き、きゅうりとナスの漬け物。
 割と普通のメニューだけれど、手間がかかっている。
 みんないただきますをして食べ始める。
「あっ、この玉子焼き、いつもと違う。甘くて美味しい」
 幸太くんがニコニコ顔で言うので、つい口元が緩んだ。
 鷹政さんも玉子焼きを口にして私を横目で見る。
「凛も今日手伝ったのか?」
「はい」
 彼の目を見て笑顔で返事をするが、気付いてもらえたことが嬉しかった。
「あー、ラブラブで羨ましいのう」と清さんの声が聞こえてハッとする。
 

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