昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
俺の提案に彼女は首を傾げながら聞き返した。
「散歩ですか?」
「そう」
詳しくは語らず、彼女の手を掴んで寝室を出ると、玄関を出て裏庭に向かう。
もう深夜だからか、屋敷の明かりもところどころついているだけ。
「鷹政さん、こんな暗いのによく歩けますね」
俺の腕にしがみつきながら歩く凛に注意した。
「自分の家の庭だからな。そこ、大きな石があるから気をつけろ」
「あっ、はい。なんだか水音がします」
足を止めて辺りをキョロキョロ見回す彼女に前方を指差して教える。
「見えるか? あそこに小川が流れているんだ。まだ来たばかりでうちの庭を全部見ていないだろう?」
「はい。小川があるなんて素敵ですね」
物珍しそうに言う彼女に意味深に返した。
「素敵なのは小川だけじゃない」
「え? 他にもなにかあるんですか?」
声をあげて驚く彼女の唇に指を当てた。
「シッ! 静かに小川の先の藪の方を見て」
「散歩ですか?」
「そう」
詳しくは語らず、彼女の手を掴んで寝室を出ると、玄関を出て裏庭に向かう。
もう深夜だからか、屋敷の明かりもところどころついているだけ。
「鷹政さん、こんな暗いのによく歩けますね」
俺の腕にしがみつきながら歩く凛に注意した。
「自分の家の庭だからな。そこ、大きな石があるから気をつけろ」
「あっ、はい。なんだか水音がします」
足を止めて辺りをキョロキョロ見回す彼女に前方を指差して教える。
「見えるか? あそこに小川が流れているんだ。まだ来たばかりでうちの庭を全部見ていないだろう?」
「はい。小川があるなんて素敵ですね」
物珍しそうに言う彼女に意味深に返した。
「素敵なのは小川だけじゃない」
「え? 他にもなにかあるんですか?」
声をあげて驚く彼女の唇に指を当てた。
「シッ! 静かに小川の先の藪の方を見て」