昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「このおにぎりの具は梅です。琴さんと一緒に漬けた梅が美味しくできて。でも、真ん中のシャケも美味しいですよ。知り合いのお魚屋さんが持ってきてくれたシャケを塩漬けしたんですけど、おにぎりによく合って。おかかも醤油(しょうゆ)の味がご飯に染みてて美味しいし」
おにぎりを指差しながら調子に乗ってペラペラしゃべる私。
「要するに全部お勧めなわけだ」
冷淡な声で言われたが、それで凹む私ではない。
「はい。どれも美味しいですよ」
満面の笑顔で返したら、彼は間髪おかずに言った。
「では、梅をいただく」
彼が手を伸ばして梅のおにぎりを手に取る。
今改めてその手を見ると、指が細長くて綺麗だと思った。
ピアノとか弾きそうな手。
私もシャケのおにぎりを取って森田さんの反応を気にしながらひとくち食べる。
「梅のほどよい酸っぱさがいい。美味しい」
抑揚のない声だったけど、お褒めの言葉をいただき頬が緩んだ。
「よかった。じゃあ、玉子焼きもどうぞ」
玉子焼きを一切れ箸で取って森田さんの口まで持っていく。
おにぎりを指差しながら調子に乗ってペラペラしゃべる私。
「要するに全部お勧めなわけだ」
冷淡な声で言われたが、それで凹む私ではない。
「はい。どれも美味しいですよ」
満面の笑顔で返したら、彼は間髪おかずに言った。
「では、梅をいただく」
彼が手を伸ばして梅のおにぎりを手に取る。
今改めてその手を見ると、指が細長くて綺麗だと思った。
ピアノとか弾きそうな手。
私もシャケのおにぎりを取って森田さんの反応を気にしながらひとくち食べる。
「梅のほどよい酸っぱさがいい。美味しい」
抑揚のない声だったけど、お褒めの言葉をいただき頬が緩んだ。
「よかった。じゃあ、玉子焼きもどうぞ」
玉子焼きを一切れ箸で取って森田さんの口まで持っていく。