昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
彼はいささか私の行動に驚いたようだけど、口を開けて玉子焼きをパクッと食べた。
「どうです? どうです?」
玉子焼きを咀嚼する森田さんの顔をジッと見たら、彼はメガネ越しに私を見た。
「甘くて美味しい」
笑顔で言ってくれたわけではないのに、凄く嬉しいのはなぜだろう。
あっ、絶対に自分に懐かなかった猫が初めて私の手からご飯を食べてくれたようなそんな感じ。
「この玉子焼き、琴さんが作り方を教えてくれたんです。琴さんというのは私の料理の師匠で、洋食屋のコックさんみたいに美味しい料理を作るんですよ。……特に彼女のビーフシチューは最高で舌が蕩けそうなほど美味しいんです」
琴さんの料理を熱く語るが、彼は嫌な顔ひとつせず聞いてくれた。
「なるほど。保科さんの玉子焼きも美味しいんだから、きっとその人の作ったビーフシチューも相当美味しいんだろうな」
おにぎりを食べ終わると、彼は「ご馳走さま」と手を合わせ、再び黙々と仕事を始めた。
私、ひょっとして仕事の邪魔をしちゃっただろうか。
「どうです? どうです?」
玉子焼きを咀嚼する森田さんの顔をジッと見たら、彼はメガネ越しに私を見た。
「甘くて美味しい」
笑顔で言ってくれたわけではないのに、凄く嬉しいのはなぜだろう。
あっ、絶対に自分に懐かなかった猫が初めて私の手からご飯を食べてくれたようなそんな感じ。
「この玉子焼き、琴さんが作り方を教えてくれたんです。琴さんというのは私の料理の師匠で、洋食屋のコックさんみたいに美味しい料理を作るんですよ。……特に彼女のビーフシチューは最高で舌が蕩けそうなほど美味しいんです」
琴さんの料理を熱く語るが、彼は嫌な顔ひとつせず聞いてくれた。
「なるほど。保科さんの玉子焼きも美味しいんだから、きっとその人の作ったビーフシチューも相当美味しいんだろうな」
おにぎりを食べ終わると、彼は「ご馳走さま」と手を合わせ、再び黙々と仕事を始めた。
私、ひょっとして仕事の邪魔をしちゃっただろうか。