昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
螺旋階段を駆け上がり、デッキに向かうが、異変を感じて顔をしかめた。
……焦げ臭い匂いがする。
なにかが燃えている? いったいなにが?
そんな疑問が頭を過った時、デッキの方から凛の声が微かに聞こえた。
「火事よ! みんな逃げて!」
火事?
気のせいかと思ったが、また彼女の声がする。
「お願い、みんな早く逃げて!」
小さな声だが確かに凛の声だ。
足を速めてデッキに行くと、今度ははっきり彼女の声が聞こえた。
「みんな逃げてー!」
船尾のマストが倒れて燃えていて、周辺はその炎で赤く染まっている。
近くには橋本清十郎がいてギッと歯軋りした。
この状況、彼がこの火事に深く関わっているに違いない。
だが、最悪なことに燃えているマストの奥に凛がいてハッとする。
「凛!」
叫ぶ俺に気付いて彼女は必死に声を張り上げた。
「た、鷹政さん、逃げて! ……ゴホッ」
マズい。このままでは凛も焼け死ぬ。
それに、この火の勢い……乗客全員の命も危ない。
……焦げ臭い匂いがする。
なにかが燃えている? いったいなにが?
そんな疑問が頭を過った時、デッキの方から凛の声が微かに聞こえた。
「火事よ! みんな逃げて!」
火事?
気のせいかと思ったが、また彼女の声がする。
「お願い、みんな早く逃げて!」
小さな声だが確かに凛の声だ。
足を速めてデッキに行くと、今度ははっきり彼女の声が聞こえた。
「みんな逃げてー!」
船尾のマストが倒れて燃えていて、周辺はその炎で赤く染まっている。
近くには橋本清十郎がいてギッと歯軋りした。
この状況、彼がこの火事に深く関わっているに違いない。
だが、最悪なことに燃えているマストの奥に凛がいてハッとする。
「凛!」
叫ぶ俺に気付いて彼女は必死に声を張り上げた。
「た、鷹政さん、逃げて! ……ゴホッ」
マズい。このままでは凛も焼け死ぬ。
それに、この火の勢い……乗客全員の命も危ない。