昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
森田さんが言っていたようにこの時間は街の明かりがついているとはいえ暗い。
バス停まで早足で歩くが、後ろから足音が迫ってきて持っていたバッグを何者かに奪われそうになり、思わず声をあげた。
「キャッ!」
顔は見えないが、ひょろっとした男性が私のバッグを掴んでいる。
「なにするの!」
手に力を入れて男の手を振り払おうとするも、そのままバッグを奪われた。
バッグには財布が入っている。
お金がなければバスで帰れない!
「返して!」
もう必死で男の腕を掴んで取り戻そうとしたが、揉み合っているうちに下駄の花緒がブチッと切れ、それでバランスを崩して男の手を離してしまった。
「しつこいんだよ!」
男がバッグで私の顔を殴ろうとしてきて咄嗟に「嫌!」と声をあげる。
怖かった。
痛みを覚悟してギュッと目を閉じたが、数秒経っても痛みが襲ってこない。
どうして?と疑問に思うと同時に聞き覚えのある声がした。
「大丈夫か!」
この声……。
思い切って目を開けたら、メガネをかけたスーツ姿の男性が引ったくりの腕を捻り上げていた。
バス停まで早足で歩くが、後ろから足音が迫ってきて持っていたバッグを何者かに奪われそうになり、思わず声をあげた。
「キャッ!」
顔は見えないが、ひょろっとした男性が私のバッグを掴んでいる。
「なにするの!」
手に力を入れて男の手を振り払おうとするも、そのままバッグを奪われた。
バッグには財布が入っている。
お金がなければバスで帰れない!
「返して!」
もう必死で男の腕を掴んで取り戻そうとしたが、揉み合っているうちに下駄の花緒がブチッと切れ、それでバランスを崩して男の手を離してしまった。
「しつこいんだよ!」
男がバッグで私の顔を殴ろうとしてきて咄嗟に「嫌!」と声をあげる。
怖かった。
痛みを覚悟してギュッと目を閉じたが、数秒経っても痛みが襲ってこない。
どうして?と疑問に思うと同時に聞き覚えのある声がした。
「大丈夫か!」
この声……。
思い切って目を開けたら、メガネをかけたスーツ姿の男性が引ったくりの腕を捻り上げていた。