昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
いつの間にか私の夜着は全部脱がされ、彼も自分の夜着を脱ぎ捨てた。お互い一糸纏わぬ姿で抱き合う。
 彼は私の身体中に隈なく口付ける。
 ゆっくり、時間をかけて念入りに。
 抱かれるというよりは、愛されるという表現がピッタリで私を大事にしてくれる彼の思いが伝わってくる。
 肌にかかる彼の吐息が熱い。
 聞こえるのは静かな波の音と私たちの激しい息遣い。
 彼が私の胸を鷲掴みにして愛撫してくると、身悶えして喘いだ。
 もうなにも考えられず、彼の与える快感に酔いしれる。
 鷹政さんが私の足を開いて身体を重ねてきた時、破瓜の痛みに顔をしかめた。
「大丈夫か?」
 彼が引こうとするので、彼の首に手を絡めて強く抱きつく。
「このままでいて」
 鷹政さんは私を抱きしめ返して、耳元で「愛してる」と囁く。
 その言葉を聞いて嬉しさで胸がいっぱいになった。「私も」と返して、しばらく抱き合っていた。
 これでやっと彼とひとつになれた。
 本当に彼の奥さんになったんだ。
 
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