昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 胸に熱いものが込み上げてきて、涙が頬を伝うと、彼がその涙を舐めとった。
「しょっぱい。泣くほど痛かった?」
 私を見つめる彼に向かって小さく笑う。
「感動して涙が出たんです」
「それはよかった。これで終わらせるつもりはないから」
 暗闇の中、妖艶に微笑む彼。
「え? まだ寝ないんですか!」
 ギョッとする私の耳朶(みみたぶ)を甘噛みして、鷹政さんは脇腹から胸へと手を這わせた。
 それから何度か抱かれ、いつ眠ってしまったのか覚えていない。
 目を開けると、鷹政さんの顔があって、彼の腕の中で寝ていた。
 その頬に手を添えると、彼が目を開けて甘く微笑む。
「おはよう」
「お、おはようございます」
 少し照れながら挨拶を返したら、彼にチュッとキスされた。
 なんて素敵な朝だろう。
 これから毎日彼の隣で目覚めるのだ。
 そんな幸せに酔いしれている私を彼は突然抱き上げて、部屋についているお風呂に向かう。
「た、鷹政さん、なにを?」
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