昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
どうやら私は思考を声に出してしまっていたらしい。
森田さんが私の妄想にコメントをしたのだが、その時私が首にかけていた金の指輪を見て微かに目を見開いた。
「あっ、この指輪は昔ある人にもらって、それからずっと私のお守りになってるんです。辛い時はいつもこの指輪に元気をもらって……。高価なものだし、その人にまた会えたらお礼を言って返そうと思うんですけど」
高価なものだからいつも着物で隠して見えないようにしていたのだけれど、引ったくりと揉み合って外に出てしまったようだ。
この指輪のことは私の家族も知らない。
指輪に指で触れながら森田さんに説明したら、彼は淡々とした口調で私に告げた。
「もう返す必要はないんじゃないか? 指輪をあげた人は君が指輪を身につけてくれていて喜んでいると思う」
ずっと返さないといけないと思っていたから、そんな風には考えていなかった。
私が持っている方があのお兄さんは喜ぶのか。
「そうですかね?」
確認すると、森田さんは私の目をまっすぐに見据えて頷いた。
森田さんが私の妄想にコメントをしたのだが、その時私が首にかけていた金の指輪を見て微かに目を見開いた。
「あっ、この指輪は昔ある人にもらって、それからずっと私のお守りになってるんです。辛い時はいつもこの指輪に元気をもらって……。高価なものだし、その人にまた会えたらお礼を言って返そうと思うんですけど」
高価なものだからいつも着物で隠して見えないようにしていたのだけれど、引ったくりと揉み合って外に出てしまったようだ。
この指輪のことは私の家族も知らない。
指輪に指で触れながら森田さんに説明したら、彼は淡々とした口調で私に告げた。
「もう返す必要はないんじゃないか? 指輪をあげた人は君が指輪を身につけてくれていて喜んでいると思う」
ずっと返さないといけないと思っていたから、そんな風には考えていなかった。
私が持っている方があのお兄さんは喜ぶのか。
「そうですかね?」
確認すると、森田さんは私の目をまっすぐに見据えて頷いた。