昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「ああ。とても有能な方だ。葵と結婚してくれたらどんなにいいか」
父が鷹政さんのことを褒めると、姉は持っていたフォークとナイフを止めて尋ねた。
「あら、そういう方にはすでに婚約者がいるのではないの?」
この時代、華族ならば普通婚約者がいる。
姉や弟にも去年まで婚約者がいたのだが、うちが没落したために破談になった。
姉ももう二十五歳だし、父もどこかいい嫁ぎ先がないか焦っている。
当の本人は恋愛小説に夢中で恋愛結婚に憧れている。
「それが決まったお相手はいないらしい。前総帥から私の娘を同伴するようにという言伝があってな。支度金までいただいた」
父はワインを口に運びながら自慢げに言う。
このパーティは新総帥のお披露目のためだろうが、きっと鷹政さんの嫁探しも兼ねているのだろう。
清さんは私のことを覚えてくれていて父に連絡を取ってくれたのかもしれない。
でも、たくさんの令嬢が集まるはずだ。
きっとみんな煌びやかな服を着てお洒落をしてくる。
父が鷹政さんのことを褒めると、姉は持っていたフォークとナイフを止めて尋ねた。
「あら、そういう方にはすでに婚約者がいるのではないの?」
この時代、華族ならば普通婚約者がいる。
姉や弟にも去年まで婚約者がいたのだが、うちが没落したために破談になった。
姉ももう二十五歳だし、父もどこかいい嫁ぎ先がないか焦っている。
当の本人は恋愛小説に夢中で恋愛結婚に憧れている。
「それが決まったお相手はいないらしい。前総帥から私の娘を同伴するようにという言伝があってな。支度金までいただいた」
父はワインを口に運びながら自慢げに言う。
このパーティは新総帥のお披露目のためだろうが、きっと鷹政さんの嫁探しも兼ねているのだろう。
清さんは私のことを覚えてくれていて父に連絡を取ってくれたのかもしれない。
でも、たくさんの令嬢が集まるはずだ。
きっとみんな煌びやかな服を着てお洒落をしてくる。