昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
うちの状況が悪くなければ、とっくにこの家を出ていただろう。
「凛お嬢さま……」
心配そうに私を見る彼女に明るく笑って見せた。
「なんて悲しい顔してるの? ひとり暮らしって私の憧れなの。もっと笑ってよ、琴さん」
トンと琴さんの肩を叩いたら、勢いが強すぎたのか彼女の手から大皿が滑り落ちた。
「あっ!」
声をあげる琴さん。
私は落ちた皿を掴もうと床にダイブした。
「痛い! でも、九谷焼の皿は無事よ」
床に顎を打って顔をしかめるが、手の中に皿があるのを見てニンマリする。
「お嬢さまは無事じゃないでしょう! 顎を擦り剥いているじゃありませんか!」
私の怪我の有無を確認すると、琴さんは怖い顔で怒った。
「まあまあ、お皿が割れなかったんだからいいじゃない」
ヘラヘラ笑いながら皿を琴さんに差し出す。
「凛お嬢さまはもっと自分を大切にしてください。だいたいお嬢さまはいつだって無茶をして、命がいくつあっても……」
皿を受け取りながら彼女が説教を始めたので、起き上がって軽く聞き流した。
「凛お嬢さま……」
心配そうに私を見る彼女に明るく笑って見せた。
「なんて悲しい顔してるの? ひとり暮らしって私の憧れなの。もっと笑ってよ、琴さん」
トンと琴さんの肩を叩いたら、勢いが強すぎたのか彼女の手から大皿が滑り落ちた。
「あっ!」
声をあげる琴さん。
私は落ちた皿を掴もうと床にダイブした。
「痛い! でも、九谷焼の皿は無事よ」
床に顎を打って顔をしかめるが、手の中に皿があるのを見てニンマリする。
「お嬢さまは無事じゃないでしょう! 顎を擦り剥いているじゃありませんか!」
私の怪我の有無を確認すると、琴さんは怖い顔で怒った。
「まあまあ、お皿が割れなかったんだからいいじゃない」
ヘラヘラ笑いながら皿を琴さんに差し出す。
「凛お嬢さまはもっと自分を大切にしてください。だいたいお嬢さまはいつだって無茶をして、命がいくつあっても……」
皿を受け取りながら彼女が説教を始めたので、起き上がって軽く聞き流した。