昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「はいはい。そのうちね。私には自分より大事なものがいっぱいあるのよ、琴さん」
私の言葉に彼女はハーッと盛大な溜め息をついた。
その週の土曜日の夕方、いつもより早めに仕事から戻ったら、姉が新調したドレスを着ていた。
それは、深紅のロングドレスで、幅広のサッシュベルトが胸元を強調し、シルエットも美しく見える。
「お姉さま、綺麗! さすが青山財閥が贔屓にしている仕立て屋ねえ。生地もデザインもとっても素敵だわ」
姉を見て自分のことのようにはしゃぐと、横にいる琴さんもうっとりとした顔で言った。
「葵お嬢さま、どこかのお姫さまのようですよ」
「派手すぎないかしら?」
姿見の鏡を見て少し悩ましげな顔をする姉の両肩に手を置いた。
「今の時代に合ってるわよ。お姉さまは本当に赤がよく似合うわ。羨ましい」
口紅も赤だけど、姉だと派手というよりは大人な感じに見える。
多分、私なら似合わないだろう。
「ありがとう。凛だって桜色がよく似合うわよ」
私の言葉に彼女はハーッと盛大な溜め息をついた。
その週の土曜日の夕方、いつもより早めに仕事から戻ったら、姉が新調したドレスを着ていた。
それは、深紅のロングドレスで、幅広のサッシュベルトが胸元を強調し、シルエットも美しく見える。
「お姉さま、綺麗! さすが青山財閥が贔屓にしている仕立て屋ねえ。生地もデザインもとっても素敵だわ」
姉を見て自分のことのようにはしゃぐと、横にいる琴さんもうっとりとした顔で言った。
「葵お嬢さま、どこかのお姫さまのようですよ」
「派手すぎないかしら?」
姿見の鏡を見て少し悩ましげな顔をする姉の両肩に手を置いた。
「今の時代に合ってるわよ。お姉さまは本当に赤がよく似合うわ。羨ましい」
口紅も赤だけど、姉だと派手というよりは大人な感じに見える。
多分、私なら似合わないだろう。
「ありがとう。凛だって桜色がよく似合うわよ」