不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

言葉を選びながら、フォローしたつもりですが…

「そう、そこよ。天然ってなに？もう、あいつ、……」

「なに？」

「あいつ…」

「うん」

「ちょっと、待って。飲ませて」

一気にビールを飲んでグラスを空にした優香。

「あいつ、あっちの方になると…あの可愛い感じで…その…鬼畜なの」

言い切った優香は、顔を両手で覆った。

「ごめん、理解できなかった」

「だから、エッチになると、可愛い感じで攻めてくるの。どうしたらいい？」

「あー、そうなんだね」

「そんな、どうでもいい顔しないで、聞いてよ」

「聞くから、声落として。それで、なにが悩みなの」

「嫌じゃない自分が嫌なの」

「うーん。解決してあげれない」

「わかってるって、ただ、聞いてほしかったの。ほら、私、気の強い方だから、今まで彼氏と長続きしなかったじゃない。でも、あいつ、気の強い私が可愛いって言ってくれてさ、…甘えるまで…手を緩めないの」

「…そう、なんだね」

友人の最中のあれこれを聞くものじゃないなぁと、遠い目をした。

「そうなの。それが、その、いいっていうか。沼にはまってしまったって感じで、抜けれなくなりそうで怖いの」