不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「気持ちだけもらっておくね。ありがとう」

そして、数日して主任は経理課に戻ってきたのだが…翌日には、製品管理課へまた行くことになってしまう。

なんでも、主任が応援に行っていた資材部の社員、多分、[コンフォルト]で見た女性がトラブルを起こしたらしく、派遣やパートがボイコットをして全員が欠勤してる状態。

納品先の相手には関係のない話で、誰かが尻拭いをしなければならない。

主任だけではなく、他の部署からも応援に出向している状態で、今後、どうなるかわからない資材部に、うちの鬼束課長も頭を抱えている。

「まったく、迷惑な女だよ。派遣らを切るか飯島を切るか、答えは出てるんだがな…、なかなか、こちらから社員を切るのは難しい」

「ほんとですよ。早く主任返してください。俺の負担が大き過ぎます」

「はぁっ?お前が大小路より役立たずなだけだろう。これを機に、スキルを磨け。でないと、いつまでもヒラだぞ」

「うわっ、ひどい」

イライラしてる課長は、高木さんへ容赦なく言葉を浴びせるが、落ち込む様子もないので、特に気にしていないのだろう。

ほんと、天然男子だ。

結局、飯島さんは、部署異動となり、役職もなくなり、工場内の作業員となった。
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