不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「課長とご一緒したかったです…今度は絶対来て下さいよ」

可愛く言われると悪い気がしないのか、課長も少し照れている。

男って、可愛いならいいのか?
彼女以外の誰かが同じセリフを言っても、あんな顔はしないだろう。『お前らだけで行ってこい』ぐらいだ。

経理課6人で、行きつけの居酒屋に向かう。
先頭を歩くのは、大小路主任と、山崎さんで、男同士何やら楽しそうに笑いあっている。その後に中村さんがちょこちょこと主任の後ろをついて歩く。

数メートルあけて私と優香、そして高木さんが横に並び歩いていく。

「中村さん、丸わかりだな」

「そうですね」

「主任には相手にされてないけど」

優香の口調には、棘がある。

それに気がついた高木さんは、苦笑する。

「女子って、やっぱりあーいう子嫌いなんだ⁈」

「嫌い?あれを可愛いって甘やかす男達が嫌いです」

「小野田さん、言うね。男もさ、あざといのわかってるんだよね。そういうのも可愛いけどさ僕は、気が強くて甘え下手な子が好きなんだ。ということで、俺と付き合ってみない?」

まさかの、突然の優香への告白に2人を交互に見て、マジなやつだと、数歩下がることにした。
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