不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「…俺が、他の女の忘れ物をお前に使わせてるって思ってたわけ?」
ずっと、そう思いながら使っていたのかと…
そうとは知らず、毎回、出してやってた俺って…香恋の心情からはクズだよな。
「違ったんですか?」
「はぁ…そこまでクズじゃないぞ。お前の為に用意したんだよ」
「私の為?でも、最初に渡された日って…」
「その日、飯に誘ってお金がないってかっこつかないだろ。だから、コンビニでお金おろした時に、買ってきたんだよ」
「そうなんですね。ありがとうございます」
「いや、ちょっと待て。そこは、どうして買ったか聞くだろう?」
俺の下心なんて知らずに、素直にお礼を言われると、罪悪感がおこり、問い詰めてほしいと思うのだ。
そうすれば、俺の中にある感情が言えそうな気がしていた。
「必要だと思ってくれたからですよね」
「そうなんだけど…はぁぁ…、お前を連れ込む気満々で用意してたんだぞ。そこは、ほら、言いたいことあるだろ?」
「関係を続けてもいいって思ってくれたんですよね」
「そうだよ。そうなんだけど…あーもう、いいわ。兎に角、この部屋にお前の物、持ち込んでいいから…メイク落としシートが必要なら、また買っとく。いや、昼から、必要な物、買いに行こう」