不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「な、なに言ってるんですか?もう、冗談ですよね?」
戸惑う優香の頬が、若干、赤いのは、高木さんが本気だと察したからだろう。
「本気の本気ですけど…タイミングみていうつもりだったのにな。まぁ、俺も今、ポロッと突然出て自分でも驚いてるけど、本気だから付き合うこと、考えてみてよ」
照れ臭いらしくハニカんだ後、小走りで主任達の元まで行った高木さん。そして優香は、顔を真っ赤にさせて悶えた。
「うそでしょ…告白された」
「うん、聞いてたよ」
「付き合うって、男と女の付き合うだよね⁈」
「そうだね」
「そっか…そうだよね」
高木さんの背を見つめたまま、頬が緩んでいた。
すると、優香の視線を感じたらしい高木さんが、こちらにしか見えない角度から、照れ臭い表情で手を小さく振る。
優香といえば、呆れ顔なのに嬉しそうにしている。
これは、付き合うのも時間の問題だろうと感じ、羨ましいと優香を見たのだった。
居酒屋では、テーブルを挟んで3対3で向かいあって座る。席順は、主任と山崎さんの間に中村さん。向かいのこちら側は、高木さんの隣に優香、そして私だ。
主任の隣が中村さんなことに、イラッとしながらも、やっぱりそうなるよね!と変に納得する。