不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

皆が、気にしてるところは、そこなの?とツッコミを入れていると思う。

そこがクリアできれば、付き合ってもいいと聞こえる。

「大丈夫です。うちの両親、歳の差12歳差です。課長と私は、10歳差ですよ。バツなんて、今時、気にしません」

強い…

課長の怖い顔が、あわあわと戸惑っている姿は、なかなか見れるものではない。

「い、いや。それでも、ダメだ。俺なんかと付き合っても、面白くもないぞ。ダメだ、ダメだ。上司が部下と付き合うとか…」

課長は必死にあらがっているが、中村さんは、嬉しそうにしている。

「もう、一押しですかね⁈」

誰に言ったかわからないが、近いうちには、中村さんの押しに負けるのだろう。

「ここに、部下に手を出した上司が…ウッ」

ボソッと呟く高木さんの言葉は、優香の肘鉄と聖也さんの睨みで遮断され、自分自身と戦っている課長にまで届かなかったようだ。

だが、中村さんには届いていたようで…

「やっぱりですか⁈そうだと思ってたんです」

うふふと笑い、私と優香の腕を組んできた中村さんの3人で女子トークが始まる。

「主任の如月さんを見る目が、もうね…バレバレですよ。気がついてないのって課長ぐらいですよね。如月さんも、雰囲気変わりましたし、2人の甘酸っぱい視線の絡み、たまらんです」
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