不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「で、どうなの?」
抱きしめていた腕を緩めて、顔を見下ろしてくる聖也さんを見つめる。
「責任とって一緒に暮らします」
「後から無しとか言うなよ」
「言いませんよ。聖也さんと暮らせるなんて、幸せです」
ふふふと嬉しくて笑う。
「はぁぁ、俺の方が幸せで、おかしくなる」
コツンとおでこを合わせる聖也。
「嫌だって言っても、手放してあげれないからな」
「私も、手放してあげませんよ。私だけの聖也さんです。聖也さん、モテるんですから、よそ見しちゃダメですからね」
「香恋こそ…あー、もう。可愛い嫉妬するなよ。嫉妬なんて無意味だって教えてやる。抱かせろ」
立て抱きで持ち上げられて向かう先は寝室らしい。
「汗かいてるのでシャワー浴びたいです」
「焦らすなよ」
「シャワーしてからじゃないと嫌ですからね」
「わかった。一緒に入ろ」
浴室に向かって歩き出したが、シャワーだけで終わらない気がして些細な抵抗を試みる。
「お先にどうぞ」
「なに言ってる。焦らすなんて許さないぞ」
見下ろしていた唇を塞がれて、彼の舌先が私の舌を絡めとり、舌先同士を擦り付けてキスしている間にドアを開けて、洗面所の前で、服が脱がされていく。
こういう手慣れてる感じに、嫉妬する。
もう、私だけの聖也さんなのに…