不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「で、どうなの?」

抱きしめていた腕を緩めて、顔を見下ろしてくる聖也さんを見つめる。

「責任とって一緒に暮らします」

「後から無しとか言うなよ」

「言いませんよ。聖也さんと暮らせるなんて、幸せです」

ふふふと嬉しくて笑う。

「はぁぁ、俺の方が幸せで、おかしくなる」

コツンとおでこを合わせる聖也。

「嫌だって言っても、手放してあげれないからな」

「私も、手放してあげませんよ。私だけの聖也さんです。聖也さん、モテるんですから、よそ見しちゃダメですからね」

「香恋こそ…あー、もう。可愛い嫉妬するなよ。嫉妬なんて無意味だって教えてやる。抱かせろ」

立て抱きで持ち上げられて向かう先は寝室らしい。

「汗かいてるのでシャワー浴びたいです」

「焦らすなよ」

「シャワーしてからじゃないと嫌ですからね」

「わかった。一緒に入ろ」

浴室に向かって歩き出したが、シャワーだけで終わらない気がして些細な抵抗を試みる。

「お先にどうぞ」

「なに言ってる。焦らすなんて許さないぞ」

見下ろしていた唇を塞がれて、彼の舌先が私の舌を絡めとり、舌先同士を擦り付けてキスしている間にドアを開けて、洗面所の前で、服が脱がされていく。

こういう手慣れてる感じに、嫉妬する。

もう、私だけの聖也さんなのに…
< 155 / 183 >

この作品をシェア

pagetop