不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

先生から妊娠してると言われた時、嬉しい気持ちとは裏腹に、不安もあった。

正式に付き合い初めたばかりで、ただ、一度、避妊しなかっただけで、妊娠して、彼を困らせるのではと。

「責任感からじゃないからな。香恋と一緒に歳を取りたいんだ。妊娠を知って俺は嬉しい。だから、安心して産んでよ」

「はい…もう、これ以上ないってぐらい幸せです」

「これから、一緒にもっと幸せの瞬間を増やしていこう」

「はい」

それからすぐに両方の両親へ挨拶へ。
そして、入籍を済ませた私と聖也さんは、経理課のみんなに報告する。

「すみません。始業前に皆さんに報告があります」

聖也さんの声に、課長以外の皆が私を見た。

頬を染めて、主任の隣に立った。

「この度、私と如月さんは入籍いたしました。如月さんは、現在、妊娠してますが、次の方が見つかるまで働きますので、無理のないようご協力お願いします」

「ご迷惑おかけいたしますが、もうしばらくお世話になります」

いい終わるなり、うわーと皆が取り囲む。

課長だけが、私たちのことに気がつかないでいて、とても驚いていた。

住んでいたマンションは、1LDKの為、子供を育てるには手狭という意見が一致した事で、新居を探していた私達。
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