不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
斗真sideからの優香とのあれこれ
俺、高木 斗真は、ただ今片思い中。
偶然、ただの同僚であった小野田 優香と彼氏が道端で喧嘩する現場を目撃。
彼氏の頬を引っ叩く気の強さに、唖然としたが、その後1人で泣く姿を見てから、気になる存在で、彼女を知る度、惹かれていった。
同僚に告白して付き合うということは、なかなか難しい。
告白だって、向こうの気持ちがこちら側に向いていないと振られる訳で、その後は気まずくなる。
告白が成功して付き合うことになったとしても、もし、別れることになったら、お互い気まずい。
社内恋愛の難しいところだ。
なので、俺は彼女にとって良きパートナーになれるよう、彼女の好みを把握することに努めた。
気を引く為に、うざがられない程度に話しかけて、同僚から一歩前進し、今では、照れてツンケンするまでになった。
大きな進歩だ。
また、そのツンケンする姿が可愛く、人のお世話は得意なのに、自分の事になると不器用で、愛しい。
彼女から好意を感じるまで数ヶ月かかった。
だが、次の恋愛に後ろ向きな彼女に、どう意識してもらおうかと頭を悩ます日々。
毎月、月次締め後に恒例の打ち上げをするのだが、今日は、彼女と並んで(如月もいたが)歩いて、いつもの居酒屋に向かう。