不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

俺は、スーツをから、部屋着に着替え、ソファを背にして床に座っている。そして、そのソファに小野田が少し距離をあけて座っていた。

ここに来るまでの道中、映画の話になり、今、映画上映されていて話題になっているスパイアクションもの。その前作を見れなかったという流れから、近くのレンタルショップで一緒に借りてきて映画を今、一緒になってみている。

だが、この映画、ラブもあるのだ。

ストーリーは、敵同士の男女のスパイが、敵だと知らずに恋に堕ちていき、それなりのベットシーンもある。そして、恋人になった2人は、あるミッションで敵のスパイ同士だと知り、別れを決意。数年後、また巡り合い、彼女がスパイだとバレて、彼女の危機を知った男は組織に刃向かい救出する話だ。最後は、洋画らしく次回作へ伏線をはった終わり方で、現在、映画ランキングの2位にいる。

見入っていた彼女だが、キスシーンが始まりだすと、ソワソワと落ち着かない様子。

今、画面はベットシーンにはいり、洋画らしくなかなか激しい。

生々しい音声が恥ずかしいのか、突然、クッションを抱えて顔を埋める彼女の耳は、真っ赤だ。

「どうしたの?」

「ちょっと、ベットシーンは恥ずかしい」

ソファに上がり、彼女が抱えるクッションをそっと取り上げる。
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