不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「きさらぎ、ありがとう」

そういい、目を閉じた主任に心の中で謝る。

主任、すみません。

隣の部屋と隣接する壁を一度見つめ、気配を伺う。

今日はまだ帰宅していないことにホッとしつつも、今から自分も騒がしくするのだと頬を赤らめ、服を脱いで下着姿でベットに膝をつき主任の腰を跨いだ。

軋む音と、気配に目を開けた主任。

「きさらぎ?」

その唇目掛けて、唇を重ね、驚きで開いた口に舌を入れ、絡めながら、主任のネクタイを解き、シャツのボタンを外していく。

さすがに、酔いが覚め、目も覚める主任が、私の肩を力強く起こす。

「如月、さん。なにしてるんです?」

「主任をお持ち帰りしました」

理解できないという顔の後

「俺、お持ち帰りされるなんて、初めてなんだけど…」

と、呟きが聞こえ、現状を理解した様子で
暗がりの中、目も慣れてくると私が下着姿だと気がついた主任は、ごくりと息を飲み込んだ。

そして跨ぐ腰の下は、明らかに反応してくれている。

思わず、布越しにゆっくりと腰を落とした。

声にならない甘いうめき声の後、主任の目は潤み艶めかしく光った。

「…如月は俺をお持ち帰りしてどうするの?」

そういいながら、彼の手ひらは、私の頬を撫でゆっくりと首をなぞり、ブラの紐の上を降りていった。
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