不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
経験値も低く、拙い技術なりに頑張っているのだが、ちっとも欲情してくれる気配がなく、次の手が見つからない。
ただ、彼の半身はいまだに反応してくれていることが、救いだ。
「こんなんじゃ、いつまでも終わらないよ」
くるりと体勢が変わり、主任が上になっている。
「今度は、俺の番」
唇を塞がれ、キスとはこうするだと教えるように、舌を擦り口内を右往左往と蹂躙していく様にされるがまま、唇はだらしなく蕩けていく。
「やば、蕩けきったいい顔してる。可愛い」
「うそ…かわいくない、って知ってます」
「可愛いよ。今から、抱くから黙って」
唇を塞ぎ、下着に手をかけた主任により、そのまま「可愛い」をいっぱいもらい、獣のように激しく抱かれ、淫らに乱されて肌を重ねる気持ちよさを教えられ、気を失うまで襲われ続ける。
人が動く気配に目が覚め、開かない目を薄らと開けて見渡すと、インナーシャツとスラックス姿で窓際に立つ男がいた。
「…主任?」
「おはよう。いい天気だよ」
「…おはよう…ございます」
爽やかに挨拶されるが、自分が主任のシャツをきていることに気がつき、昨夜の痴態を思い出し、居た堪れない。
襲ったのは自分だが、まさか、あんなに主任との行為が激しいとは。…優しい口調から一転して、S気質を見せられて、性欲の貪欲ぷりをみせられた。