不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「見たことある間取りに外をみたら、俺の部屋から見える景色とほぼ一緒。…どうも、俺たち隣人みたいだ」
「はい?」
「301号室の大小路です」
「…えっ、えー。あの隣の激しいエッチをする人が主任?」
「あー、もしかして聞こえてた?」
バッチリです。寝れなくて、困ってました。
私の顔色から、いろいろと察した主任は、バツが悪そうに頭をかいた。
「ごめんね。先月まで、隣は空き家だったからさ、気を使うこと忘れてたよ」
私は、両親と兄とで住んでいたのだが、兄が結婚して家に入ることになり、先月頭に引越しをしたばかりだった。
「挨拶に伺ったら、彼女さんが出てこられましたよ。あっ、彼女さんいるのに、私、なんてことを。主任、どうしましょう?彼女さんが知ったら…別れるとかなったら…私のせいですね」
「如月、落ち着け。大丈夫だから。俺、彼女いないし」
「えっ、先週まで凄かったのに別れたんですか?」
「凄かったって…知り合いにいろいろ聞かれてたのは、さすがに恥ずかしいな。まぁ、既に体験してもらったからわかるだろうけど、あんな感じで女を抱くし、この顔目当ての女しか寄ってこないから、セフレか、その場限りで十分なんだよ。だから、俺も、女の好きは信用しないし、本気になれないから、お互いさまなんだ」